◯相談前
交差点内で右折の相手車と、直進の自車が接触したとのこと(相手車の動静は不明)。相手方は任意保険を使用せず本人が示談交渉をしていたため、話が進まず、困った依頼者は相談に来られました。
依頼者の任意保険には弁護士特約が付帯されていたため、弁護士特約を利用して依頼されました。
◯相談後
交渉の余地がないため、早期に訴訟を提起しました。相手方は100:0主張のためか自分の任意保険を利用せず本人訴訟でした。
第1審(簡裁)では相手車が停止していたと認定し、過失割合を当方:相手方=9:1とする判決が出ました。相手方は自車の損害を請求するため訴訟外で修理費の資料を出しました。
その後、当方から控訴し、控訴審(地裁)では、仮に停止であっても直前であるとの認定により6:4に修正されました。
相手方は任意保険(対物)を利用しないとの意向であったため、相手車の損害資料を元に判決で認容された額と相殺(物損のみ)しました。
◯弁護士からのコメント
民法改正(2020年4月1日施行)により、悪意による不法行為や人の生命・身体の侵害によるものでない損害賠償債務(過失による物損など)は相殺が可能になりました。本件のように相手方が任意保険を利用しない物損事故の場合、相殺も一つの解決方法です。