【研修】胸郭出口症候群
1 総論
胸郭出口症候群(TOS(トス):Thoracic Outlet Syndrome)
胸郭の出口で,鎖骨下動脈・静脈や腕神経叢(わんしんけいそう)を圧迫して起こる【※1】。
頸肋(けいろく)症候群・斜角筋症候群,肋鎖症候群,小胸筋症候群などの総称【※2】。
2 分類
(1)血管性TOS
・Ⓐ動脈性TOS(ATOS:動脈artery)
・Ⓑ静脈性TOS(VTOS:静脈vein)
(2)神経性TOS(NTOS:神経nerve)
・Ⓒ客観的所見のある神経性TOS(Real NTOS)
・Ⓓ議論のある神経性TOS(議論のあるNTOS)
3 症状や客観的所見
Ⓐは,上肢冷感を主症状として,動脈造影で狭窄・閉塞確認できる
Ⓑは,上肢浮腫を主症状として,静脈造影で狭窄・閉塞確認できる
Ⓒは,筋力低下を主症状として,神経伝導速度検査で異常所見確認できる
Ⓓは画像・神経所見なし。誘発テストが手掛かり。医学的にも議論がある。
⇒整形外科の書籍等にある胸郭出口症候群は,ほとんどⒹについて記載。
4 誘発試験
擬陽性が多すぎる(正常人でも陽性となる)。
代表的なテスト:ライトテスト,モーレイテスト,アドゾンテスト,ルーステスト
ライトテストやモーレイテストは少なくとも15~30%は擬陽性となる。
5 治療方法
・保存的治療(姿勢改善など)
・手術(第1肋骨切除、頸肋切除、前斜角筋切除,神経剥離など)
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