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【自賠責保険】他人性が問題となる場合-共同運行供用者-
Q
私はいつも父親名義の車を使っていました。
その車で友人とドライブをしていたところ,友人が運転中に自損事故を起こし,私もケガをしてしまいました。
父親名義の車の自賠責保険に被害者請求したいのですが可能でしょうか。
A
運行供用者責任に基づいて損害賠償を請求できるのは,その事故によって被害を被った「他人」です。
運行供用者が複数人おり,そのうちの一人が被害者となっている事故の場合,その被害者が自賠責保険に対して請求するためには,他の共同運行供用者に対して「他人」であることを主張できるかがポイントとなります。
このケースで運行供用者に該当するのは,
①自動車の所有者(名義人=保有者=自賠責保険の被保険者)である父親
②自動車を運転していた友人
③事故を起こした車の常時使用者である貴方
の3人になります。
貴方が自賠責保険を使うには、共同運行供用者である①②に対して「他人」性を主張できなければいけません。
事故当時,貴方は事故車両に同乗しており,父親は同乗していなかった(車外にいた)ため,運行支配の程度は父親より貴方の方が強くなります。
また,事故車両を運転していたのは友人ですが,搭乗被害者である貴方は,その車両の常用使用者であるため「他人」とはいえません。なお,友人が貴方の指示を守らなかった等の事情は見られません。
結局,父親にも友人にも「他人」性を主張できないため、被害者請求はできません。
友人に車を貸すときは(借りるときも)注意しましょう。
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