Q
後遺障害がいくつもあるときの等級認定の方法や別表にあたらない障害の扱いについて教えてください。
A
①自賠法施行令に規定されている併合等級や,②運用上認められている相当等級などがあります。
後遺障害が複数ある場合の併合等級については,自賠法施行令2条1項3号ロ~ホに定められています。5級以上が複数の場合は一番重い等級を3級繰上げ,8級以上が複数の場合は一番重い等級を2級繰上げ,13級以上が複数の場合は一番重い等級を1級繰上げ,それ以下の等級が複数の場合は最高の等級が後遺障害等級という扱いになります。
具体的な認定は,障害等級早見表を参照してすることになります。
障害等級早見表は,身体の部位・障害の態様別に分類されていて,原則として,同じ系列の障害は,上位等級の内容は下位の内容を含んでいるとされるので,繰り上げはされません。併合の扱いを受けるのは障害の系列が異なる場合です。
もっとも,眼,腕,脚については例外(「相当等級」)があります。
たとえば,上肢の欠損・機能障害で,1上肢の3大関節中の1関節の用廃(8級)と他の上肢の3大関節中1関節の著しい機能障害(10級)の場合に,単に8級のみとして扱うのは不合理なので,系列が異なる障害と同様に,7級として取り扱います。
ただ,障害の程度の軽重の順序(序列)を崩さないよう配慮する必要があります。
たとえば,上肢の3大関節の関節が用廃(6級)で,もう一つの3大関節は著しい機能障害(10級)の場合,併合の扱いをすると5級ですが,1上肢の用廃(5級)の方が明らかに程度が重いので,5級として取り扱うことはできず,6級にとどめざるを得ないことになります。
自賠責での「相当等級」についてはもう一つあります。それが,どの系列にも属さない障害の扱いについての「相当等級」です。
後遺障害等級表の備考⑥には,「各等級の後遺障害に該当しない後遺障害であって,各等級の後遺障害に相当するものは,当該等級の後遺障害とする。」と書かれています。これは,別表で具体的に定められたものと同等のものを後遺障害と認める制度です。
例えば,嗅覚喪失や味覚脱失(12級),嗅覚減退(14級),外傷性散瞳(11級,12級,14級),男子のほとんど顔面全域にわたるはん痕で人に嫌悪感を抱かせる程度のもの(7級)があります。
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