Q
事故で膝関節の動きが悪くなったのに,後遺障害等級は非該当となってしまいました。自賠責保険の認定基準どおりであれば等級認定されるほど動かないのですが,どういうことでしょうか。
A
自賠責保険の実務では,永久に症状が改善しないという点が重視されます。単に動きが悪いとの測定結果だけではなく,動きが悪い原因が推定できるような所見などを医師に指摘してもらうなど,動きが良くならないであろうと判断できる資料を提出する必要があります。
上肢,下肢の三大関節(肩・肘・手/股・膝・足)の機能障害(可動域制限)については,健側(障害がない方)と患側の可動域(他動域)を対比します(神経の麻痺で関節が動かせない場合は自動域の測定値を基に判断します。)。
正常な可動域の2分の1以下となっている場合には,10級10号・11号「関節の機能に著しい障害を残すもの」,正常な可動域の4分の3以下となっている場合には,12級6号・7号「関節の機能に障害を残すもの」となります。
可動域制限があるかどうかは,主要運動を重視して判定します。
肩関節,股関節は,どちらか一つが基準を満たす制限があればよいとされています(「用廃」の場合は両方満たす必要があります。)。
「屈曲」と「伸展」の二つの場合,可動域の検査数値を合計したもので評価します。
「参考運動」は,主要運動による評価が,あと少しで基準を満たすような微妙なときに参考にするものです。
他動域測定値が基準を満たす場合であっても,器質的な原因による関節の拘縮の所見がある,関節の拘縮が発生してもおかしくない傷害態様だった,神経症状が生じていると判断できる,といった裏付け的な所見の存在を参照して判断されるので,単に検査数値を主張するだけでなく,可動域制限の生ずる原因を明確にする内容の資料の提出をする必要があります。
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