Q
自賠責保険の支払に関する紛争の調停を行う機関があると聞いたのですが,どのようなものなのでしょうか。自賠責保険への異議を申し立てるのではなく,そちらを利用した方が良いのでしょうか。
A
自賠責保険・共済の支払に関する紛争を解決するADR(裁判外紛争処理機関)として,㈶自賠責保険・共済紛争処理機構があります。その判断は自賠責保険の支払に関して最終のものとされ,不満がある場合は裁判で解決する必要がありますので,まずは自賠責保険への異議申し立てを行い,紛争が解決しない場合に紛争処理申請をする方が良いでしょう。
自賠責保険・共済分傷処理機構は,自賠責保険の支払に関して,被害者や自賠責保険の加入者と,自賠責保険会社(共済含む)との間で生じた紛争について,公正かつ適正・迅速に解決することにより被害者保護の充実を図ることを目的とする指定紛争処理機関です。
自賠責保険会社から支払または不払の通知があった事案や,任意の自動車保険(共済含む)について,自賠責保険の判断(事前認定)が提示されている事案などについて,書面審査が行われます。紛争処理の手続は,原則として非公開です(自賠法23条の13)。
紛争処理は,紛争処理委員(国土交通大臣及び内閣総理大臣の認可を受けた弁護士,医師,学識経験者(元裁判官,法律学者,交通工学の専門家等)から事案の性質に応じ,3名以上で構成。)が行います(自賠法23条の7,紛争処理業務規程8条,10条)。
紛争処理の結果(判断)は,書面で紛争当事者の双方に示されます(紛争処理業務規程11条2項)。紛争当事者が説明を求めた場合は,文書による説明等が行われます(同条3項)。
紛争処理の結果については,法的な拘束力はありませんので,納得がいかない場合には裁判所での解決を求めることが可能です。もっとも,保険会社は約款等で紛争処理の結果を遵守することを規定していますので,保険会社にとっては拘束力があります(ただし,拘束されるのは,自賠責保険の保険金等の支払に関する部分についてのみです。)。
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